1129
対想ベロシティー/哀想ベロシティー/(その口から、愛の言葉が飛び出すのを、愚かなわたしは期待していた。)/その内臓の色/今はまだ、愛に満たない気持ちでも/その指先は必要なかった/もう酸素なんていらない/安らかに息絶えてみたかった。/あなたが死ななきゃ幸せになれない



1025
君の世界を頂戴します/見つめあったそこに赤い糸はない/寝違えたのであなたのほうに向けません/輝かしい指輪なんてもう意味がないのです/いつもどおり。(あなたが隣にいないことさえ)/わたしには、まばたきさえいらなかった。/死に損ないの朝/骨まで溶かして/ここには出来損ないしかいない/この呼吸は君への戒め/いちばんほしいのはね、きみのしんぞう/一億光年彼方から、君に届ける心拍数/人間を構成するすべての物質(足りないのは、魂と、記憶と、あの人のこころ)



0904
君に紡ぐ492通りの言葉/「まだ骨が脆い」/なんて可憐なセンチメンタル/この世界には、君と、君を愛する僕しかいない。(ねえ、大人しく愛されてみて)/吐息ばかりが美しいやつ/この心臓にナイフを突き立てたっていい/君の祈りに意味などない/輪廻ばかりに頼ってはダメ/世界をちぎってあなたにあげる/あなたとわたしと毒薬ひとつ



0805
プラトニックな愛だこと/ならば沈むのは穢れた僕だ/本物じゃないという証拠もないでしょう/硝子の絨毯に憂う/千円ぽっちの愛/世界を救えたためしがない/あなたは嘘ばかりつこうとする/彼女は喧騒から死んでいく/あなたの心臓を刳り貫いてキスして愛でてあげるわ/あなたが笑う未来に僕は不要だ/「錆び付いていいよ」/貴女が死にゆく速度で/僕を導く毒素を中和



0424
そんな陳腐な孤高/君の声を聞き逃したままだ/あの星を掴もうとした僕は誰よりも愚かだった/壁からばら撒いて/「その骨は僕のだ」/あなたを殺すその日まで/傷口から愛/数千年前なら僕らはひとつになれた/検索しても出てこないよ、君の愛し方なんて



0116
それはわたしが思い出したくない過去だった。/指先の遺言/誰かの亡骸をあなたは慈しんでいるのだ/牢獄には愛を添えるよ/君に依存なんてしないよ/醜いあなたなら愛してあげる/「もっと乱れちゃえばいいのに」



0105
独りよがりなわたしはそれでも祈った/あなたのこころはからっぽのままだ/なんて酷い言葉であなたはわたしを罵るの!/その酸素さえお前は拒むのだ/赤い糸をほどいていくよ/呆れるくらいあなたに縋ろう/君の涙は見飽きた/愛してしまおう/「あの星と、あの星が、ぼくらを創った」/ずきずきと俺を侵食していくものはなんだ。/潮騒からあなたは生まれた








The titles in this page is 2010ver.